北の桜守
©2018「北の桜守」製作委員会
【ストーリー】
北へ北へ
失われた記憶に向かって
二人は歩き続けた
1945年、南樺太に一輪の桜が咲いた。やっと咲いたその花は、江蓮てつたち家族にとって希望の花のはずだった・・・。その年の8月、ソ連軍の侵攻が起こる。てつは息子二人と共に樺太を脱出。決死の思いで北海道の網走へと辿り着く。そんな満身創痍の親子を待っていたのは想像を絶する過酷な生活だった。意識を失うほどの厳しい寒さと飢餓、その中を親子は懸命に生き抜くのだった。
1971年、成長した次男の修二郎は米国で成功し、日本初のホットドックストアの日本社長として帰国。15年ぶりに網走を訪れた。そこには長男の姿はなく、一人、夫を待ち続けながら慎ましい生活を送る年老いたてつの姿があった・・・。修二郎はてつを札幌へと連れ帰り、面倒をみる決意をする。
息子夫婦と暮らし始めたてつだったが、薪を使い米を炊き、近所から苦情を受けたり、金を払わず八百屋から葱を持ち去ろうとするなど、徐々に不可解な行動が目立つようになる。年老いたてつは、戦禍によるPTSDの後遺症に陥っていた。そして、てつ自身もその変化を自覚していく・・・。
そんなある日、てつが突然、姿を消す。立派になった修二郎に迷惑をかけたくないと思い、一人、網走に戻ろうとしたのだ。だが、網走の住宅はすでに取り壊されていた。帰る場所を失ったてつ。てつのために一緒に寄り添いたいと思う修二郎。二人は、北海道の大地を巡る過去への道行を始める。その旅は、親子の抱える禁断の記憶の扉を開けてしまうのだった。
- 監督:
- 滝田洋二郎
- 脚本:
- 那須真知子
- 舞台演出:
- ケラリーノ・サンドロヴィッチ
- 音楽:
- 小椋佳、星勝、海田庄吾
- 撮影監督:
- 浜田 毅
- 出演:
- 吉永小百合、堺 雅人、篠原涼子、岸部一徳、高島礼子、永島敏行、笑福亭鶴瓶、中村雅俊、阿部 寛、佐藤浩市
- 【上映情報】
- 料金:
- 前売500円 当日800円
- 会場:
- 調布市文化会館たづくり くすのきホール
- 日時:
- 3/3(日)10:30~
- トークゲスト:小野寺 修さん(録音)、浜田毅さん(撮影)
■日本語字幕付き上映 ■チケット購入方法は
トークゲスト

浜田毅(撮影監督
1951年北海道生まれ。1971年大蔵映画に入社、撮影助手として多くの作品に参加後、三船プロダクションに移籍。その後フリーとなり、1985年『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』(森崎東監督)で撮影監督デビュー。その後、数々の作品を手掛け、1993年『僕らはみんな生きている』(滝田洋二郎監督)、2003年『壬生義士伝』(滝田洋二郎監督)、2004年『血と骨』(崔洋一監督)、2012年『天地明察』(滝田洋二郎監督)、2013年『利休にたずねよ』(田中光敏監督)で日本アカデミー賞優秀撮影賞受賞。2008年『おくりびと』(滝田洋二郎監督/第81回アカデミー賞外国語映画賞受賞)では日本アカデミー賞最優秀撮影賞を受賞。
2014年秋の紫綬褒章受章。
【メッセージ】
「北の桜守」は、私の映画歴の中でも異色な映画だと思います。戦争と引き揚げ者、そして認知症。映像と舞台、戦後の混乱期とオリンピックを迎える1970年、それらをどうまとめるか滝田監督も悩まれたと思います。厳寒の網走と夏編の稚内、そして狸小路の札幌。楽しんでください、なんせ私は道産子で、1971年まで狸小路で遊んでましたから。

小野寺修(録音)
1949年宮城県気仙沼生まれ。
高校卒業後、1970年日活録音部に入社。95年からフリーとして活動。
2003年『壬生義士伝』(滝田洋二郎監督)、2004年『血と骨』(崔洋一監督)、2012年『天地明察』(滝田洋二郎監督)、2014年『柘榴坂の仇討』(若松節朗監督)他、多数の作品で日本アカデミー賞優秀録音賞を受賞。また2000年『ホワイトアウト』(若松節朗監督)、2001年『陰陽師』(滝田洋二郎監督)、2008年『おくりびと』(滝田洋二郎監督/第81回アカデミー賞外国語映画賞受賞)等の作品で日本アカデミー賞最優秀録音賞を受賞するなど数多くの受賞歴がある。
平成26年度(第65回)芸術選奨文部科学大臣賞(映画部門)受賞。
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