第1回映画のまち調布賞授賞式、オープニング上映『モリのいる場所』(レポート)
第1回映画のまち調布賞 授賞式
3/2(土)17:30~ シアタス調布 スクリーン10
技術部門(撮影賞、照明賞、録音賞、美術賞、編集賞)、作品賞、功労賞の計7部門を顕彰。
平成29年10月1日から平成30年9月30日までに国内の商業映画劇場で、有料で初公開された日本映画を対象に、
技術部門は、人気投票(調布市内在住・在勤・在学の方、シアタス調布来場者)で候補作品を選出し、各賞の選考委員が討議のうえ、決定しています。
受賞者へは、トロフィー、賞状のほか、調布市特産品の深大寺そばを贈呈しました。

撮影賞 『モリのいる場所』 月永雄太
【受賞理由】作品のもつ静かな時間に自然に入りこめる映像で、実に根気よく丁寧に撮影されている。
とくに昆虫との絡みの撮影は難しかったと思われるが、上手に撮られており、暗部と明部のバランスもよく、
庭の緑色、グリーンが同じトーンでとらえられている点にも感心した。実に撮影設計がしっかりとした作品である。
照明賞 『空飛ぶタイヤ』 長田達也
【受賞理由】勧善懲悪の物語をライティングでみごとに表現していて、陰影のバランスは絶妙である。
ワインバルのシーンでは、トップ光とテーブルクロスの反射光をうまく使い、演者の感情やそれぞれの社内での立場まで表現されていた。セリフに説得力のある表情を導きだす照明は作品に力を加えている。
録音賞 『空飛ぶタイヤ』 栗原和弘
【受賞理由】セリフの聞きやすさ、音楽とのバランス、効果音、全体のバランスで評価した。
とくにセリフが丁寧に整音されており、それぞれの役者の声質を見極め非常に心地よく仕上げられており、観客を物語へ自然と取り込んでいる点は見事である。
音のサイズ感が良く芝居も見応えがあり、全体のバランスが良い。
美術賞 『モリのいる場所』 安宅紀史
【受賞理由】孤高の画家・熊谷守一の世界を巧妙に表現した家。
リサーチを重ねて作られた居室やアトリエの飾りや置物などディティールにこだわりが見え、そのひとつひとつが、主人公「モリ」の人物像を表現していた。
庭の植栽が非常に丁寧で、物語に合った幻想的な庭に仕上がっている点も効果的である。
編集賞 『ちはやふる –結び-』 穂垣順之助
【受賞理由】単調になりがちな競技カルタのシーンが、スピード感のある編集で、ドラマティックにまとめられていて、シーンの狙いをよく活かしている点を評価したい。
カルタの監修者にくりかえし実演してもらい実験を重ねたという、ハイスピード撮影・編集の使い方が天才的で作品の質とぴったり合っていた。
作品賞 『万引き家族』 株式会社フジテレビジョン編成局 映画事業センター 映画制作部 プロデューサー松崎薫
人気投票(11,168票)の最上位となった作品。 投票結果はこちら
功労賞 高津装飾美術株式会社代表取締役会長 南 孝二
【受賞理由】永年にわたり、高津装飾美術株式会社の代表として、時代劇、現代劇などのジャンルを問わずあらゆる作品の装飾美術を一手に引きうけて、映画・テレビ・演劇制作の現場を支えてきた。
1934年以来、調布に本社を構え、小道具の製作と調達に専心してきた同社の功績は高く評価されており、また、業界の中心的存在として、特定非営利活動法人日本映像美術協議会の設立に尽力し、映像美術の重要性を広く社会に伝えるなど、その振興に貢献した。
オープニング上映『モリのいる場所』 トークショー
3/2(土)18:35~ シアタス調布 スクリーン10
沖田修一監督、出演者の池谷のぶえさん、黒田大輔さん、映画のまち調布賞を受賞した月永さん(撮影)、安宅さん(美術)に、
製作のエピソードなどをお話しいただきました。
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