第2回映画のまち調布賞授賞式(レポート)
2/29(土)17:00~18:00 イオンシネマ シアタス調布 スクリーン10
受賞者へは、トロフィー、賞状のほか、深大寺そば等の調布市特産品を贈呈しました。
映画賞授賞式後には、舞台挨拶付きで『Fukushima 50』(フクシマフィフティ)の先行特別上映会を開催しました。
作品賞 『天気の子』
登壇者:川口典孝(プロデューサー)
日本映画人気投票最上位の作品に贈ります。
撮影賞 今村圭佑(いまむら けいすけ) 『新聞記者』
プレゼンター:浜田 毅(協同組合日本映画撮影監督協会 理事長)
【選定理由】
脚本を深く理解し、俳優の芝居に寄り添い、「人間」を撮ろうとしている姿勢を評価したい。手持ちの撮影手法を取り入れ主人公の心情をうまく表現し、観客に不安感を抱かせることに成功した。内調の部屋はフィルムの銀残しを思わせる色味を用いるなど、デジタル時代の撮影監督としての今後の活躍に期待したい。
照明賞 水野研一(みずの けんいち) 『日日是好日』
代理登壇者:西野哲雄(協同組合日本映画・テレビ照明協会 副会長)
プレゼンター:望月英樹(協同組合日本映画・テレビ照明協会 会長)
【選定理由】
ほぼ茶室内で展開されていく話で、庭から入る障子越しの日差しは非常に工夫がなされており、光の力強さと質感でみごとに四季を表現していた。ロケセットの撮影で自然光を巧みに取り込み、劇的効果を高めるライティングとしている。演出、撮影、録音、美術、衣装、メイクと現場のすべてのパートにおいて高いレベルで融合している作品。
録音賞 鈴木肇(すずき はじめ) 『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』
代理登壇者:鈴木良平(ご子息)、鈴木菜音(ご息女)
プレゼンター:小野寺修(日本映画・テレビ録音協会 理事長)
【選定理由】
俳優の役柄の特徴をとらえ、それぞれのセリフをキャラクターに合わせて丁寧に整えている。病院内のシーンが多いが、医療機器の音もさりげなく、程よいバランスのSE(音響効果)となっている。録音技師の人柄が出ている優しい音が、感動ドラマであり、コメディである作品にマッチしている。
※鈴木氏は2019年8月に逝去されました。謹んでご冥福をお祈りいたします。
美術賞 斎藤岩男(さいとう いわお) 『キングダム』
プレゼンター:竹内公一(協同組合日本映画・テレビ美術監督協会 理事長)
【選定理由】
巨額な製作費が投じられた分、美術の重要性も大きく、その重責に応えた仕事は好感をもって見ることができた。中国ロケの巨大な咸陽宮のセット、リアルに作りだされた山の民という想像上の民族、細部にいたるまで配慮された背景、装飾、小道具、特殊メイクなどで、物語の壮大なスケールに相応しい美術となった。
編集賞 河村信二(かわむら しんじ) 『翔んで埼玉』
プレゼンター:只野信也(協同組合日本映画・テレビ編集協会 理事長)
【選定理由】
アクションとドラマにメリハリがあり、長尺でも飽きさせない。テンポもよく、心地よい編集であった。埼玉県民が虐げられている架空の世界と現実世界のシーンバックが自然であり、ストーリーの分かりやすさに貢献していた。物語の濃厚さに対して、編集が主張しすぎていないことでうまくバランスをとっている。
功労賞 紅谷愃一(べにたに けんいち) 【録音技師】
代理登壇者:志満順一(日本映画・テレビ録音協会 専務理事)
【選定理由】
永年にわたり、録音技師として、創意工夫をこらしつつ迫真の音づくりに努め、多くの名作や話題作にサウンドデザインの力量を示して日本映画の発展に貢献した。大映(京都)を経て日活撮影所(染地)に入り、「黒部の太陽」(68)、「神々の深き欲望」(68)、「復活の日」(80)、「楢山節考」(83)、「八月の狂詩曲」(91)、「鉄道員 ぽっぽや」(99)などを担当し、今村昌平、深作欣二、黒澤明、降旗康男らの巨匠作品を支え、毎日映画コンクール録音賞、日本・映画テレビ技術協会技術賞、日本アカデミー賞など多くの録音賞を受賞している。また、(協)日本映画・テレビ録音協会の理事長を務め、その運営や後継者の育成にも力を尽くした。2010年に旭日小綬章を受章。
司会:金児憲史(俳優)、楊原京子(俳優)
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