第3回映画のまち調布授賞式(レポート)
2/20(土)16:00~16:50
※くすのきホールでの授賞式をオンラインでイオンシネマ シアタス調布 スクリーン10に中継
受賞者には、トロフィー、賞状のほか、調布ゆかりのホッピーと調布びーるを贈呈しました。
作品賞 『Fukushima 50』
登壇者:株式会社KADOKAWA 執行役員 堀内大示
第3回日本映画人気投票最上位の作品。
撮影賞 江原祥二(えばら しょうじ) 『Fukushima 50』
プレゼンター:浜田 毅(協同組合日本映画撮影監督協会 理事長)
【選定理由】
電源を喪失して暗闇になった中央制御室のシーンは、懐中電灯の光だけを光源に撮影されているが、闇の中で役者の表情を違和感なく捉えており、その優れた撮影技術を評価したい。どう撮影するかの設計がしっかりしていた。人物の肩越しや背中越しの2ショットでは絶妙なぼかし表現を披露し、被写界深度の使い方の巧みさが際立っていた。大勢の俳優が集まるシーンの整理も上手く、そのテクニカルな撮影が作品のリアリティを高めていた。
照明賞 長田達也(おさだ たつや) 『カツベン!』
プレゼンター:周防正行(監督)
【選定理由】
大正時代の裸電球の灯りを自然なライティングで見事にとらえ、コメディタッチの作品の世界観をバランス良く表現していた。フルカラーの映像で育った世代には未知の世界でもある「モノクロシーン」の捉え方は評価に値する。また屋外のロケシーンと映画館の内部の繋がりの自然さ、水辺の照り返しを生かしたロマンティックなナイトシーンの照明、自然光のような照明、映画館のなかのスポットや客電など随所に工夫がみられ、全編を通して卓越した照明技術が光っている。
美術賞 磯田典宏(いそだ のりひろ) 『カツベン!』
プレゼンター:周防正行(監督)
【選定理由】
実在のモデルやエピソードを取りこみながらも、それに縛られずコメディ映画ならではの遊び心のあるセットデザインを描いている。日本各地のロケーション、力の入ったオープンセット、スタジオのセットの合わせ方も巧みである。トイレの塗装や引幕の質感などの細部の丁寧な作りこみが、統一感のある「カツベンの世界」の構築に貢献していた。セットならではの仕掛けを効果的に用い、作中の無声映画を新たに撮影し直すなど、随所に映画愛が感じられる美術制作であった。
録音賞 柳屋 文彦(やなぎや ふみひこ) 『惡の華』
プレゼンター:井口 昇(監督)
【選定理由】
現場での音、音楽の調和、整音と全てにおいてレベルが高く、全体のバランスの良さを評価したい。なかでも主人公とヒロインがやぐらに上る夜のお祭りのシーンは、エキストラも多く、ノイズの処理に苦労するところだが、セリフは明瞭で臨場感も再現できており、録音技師の高い技術がうかがえる。昔ならアフレコの場面である。全体に、音の違和感を全く生じさせることなく、観客を自然と物語に取りこむ技術は見事であり、作品に対する録音の貢献度は高い。
編集賞 石川 慶(いしかわけい)/太田 義則(おおた よしのり)『蜜蜂と遠雷』
※石川監督は欠席
プレゼンター:只野信也(協同組合日本映画・テレビ編集協会 理事長)
【選定理由】
転調箇所がはっきりしないクラシック音楽はカッティングポイントが難しいが、優れた編集技術により観客をスムーズにピアノ演奏のシーンへ引き込んでいた。素晴らしいプレイバック編集である。演奏時の手元のUPなどカットインの画と俳優の目や表情、動きの画とを巧みに織り交ぜつつ違和感を全く生じさせなかった。計算された編集を観客に意識させない高度な技術と感性が融合している。
功労賞 株式会社石原プロモーション 代表取締役会長 石原まき子
※ご欠席のため、お礼文を司会の金児様(元石原プロモーション所属)が代読
【選定理由】
戦後の日本映画を代表する日活の大スター、石原裕次郎とともに創立した石原プロモーションは、意欲的な製作方針の下、『黒部の太陽』など映画史に輝く大作、話題作を世に送り出すとともに、1973年からは調布に本拠を構え、テレビドラマの製作にも邁進し、「西部警察」など国民的人気シリーズを生みだした。石原裕次郎亡きあとも、渡哲也がその遺志を継いで事業を継続。この間、会長としてその活動を根幹で支え続け、映画映像業界の発展に尽力した。「映画のまち調布」の誇りとして市民に親しまれた同プロモーションの功績は誠に大きい。
司会:金児憲史(俳優)、楊原京子(俳優)
ガチョラ(映画のまち調布 応援怪獣)とミス調布
ホッピーと調布びーる
その他の映画のまち調布賞
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