第4回映画のまち調布賞 受賞者発表

主に映画製作の現場を支える技術者や制作会社といった「映画のつくり手」に贈る賞です。
映画・映像関連企業の集積する「映画のまち調布」にふさわしい映画賞として、映画文化、芸術、産業の振興に寄与した映画・映像作品及びその製作に貢献した者を顕彰します。

撮影賞、照明賞、録音賞、美術賞、編集賞(技術部門)

受賞対象:映画製作の現場を支える種々の技術者
選考方法:「映画のまち調布 シネマフェスティバル2022」で上映可能な第4回日本映画人気投票上位10作品の実写映画をノミネートとし、各賞、映画製作において功績のある映画技術スタッフ等で構成する選考委員会で討議の上、受賞者を決定する。
ノミネート作品:『花束みたいな恋をした』、『天外者(てんがらもん)』、『浅田家!』、『東京リベンジャーズ』、『ブレイブ -群青戦記-』、『ファーストラヴ』、『罪の声』、『るろうに剣心 最終章 The Final』、『ヤクザと家族 The Family』、『るろうに剣心 最終章 The Beginning』

選考委員
○ 撮影賞 稲垣涌三、谷川創平、清久素延、酒井隆史
○ 照明賞 西野哲雄、石田健司、長嶋建人
○ 録音賞 小野寺修、中村 淳、山本逸美
○ 美術賞 今井髙司、齋藤 卓、鈴木隆之、岩城南海子
○ 編集賞 宮澤誠一、鵜飼邦彦、小堀由起子

作品賞

日本映画人気投票最上位作品とする。

功労賞

受賞対象:調布市の映画文化、芸術、産業の振興に多大なる貢献と顕著な実績を残した者
選考方法:調布市内の映画・映像企業等で構成する選考委員会で討議の上、受賞者を決定する。

作品賞『花束みたいな恋をした』

© 2021『花束みたいな恋をした』製作委員会

土井裕泰監督 受賞コメント

私たちと同じ時代に同じ場所の空気を吸って生活している、そんな特別ではない若者たちの青春映画として作ったこの映画が、多くの人に自分たちの物語として受け入れられ、舞台となったこの街の映画祭で賞をいただけることは何よりの喜びです。
撮影に協力、応援して下さった、調布の方たちにあらためて御礼申し上げたい気持ちです。
ありがとうございました!

撮影賞『花束みたいな恋をした』鎌苅 洋一(かまかり よういち)

© 2021『花束みたいな恋をした』製作委員会

選定理由

カメラの存在を意識させない日常生活に溶け込むような撮影で、等身大の物語の世界に誘導し、観客が登場人物に共感を覚える作品になっていた。若い二人が暮らす多摩川沿いのマンションの室内はセット、ベランダは現地のロケだが、その繋がりも自然で、移ろってゆく季節感もうまく表現されており、撮影監督の丁寧な仕事ぶりが光っている。

プロフィール

1979年大阪府出身。映画美学校修了後、近藤龍人カメラマンのもとで『桐島、部活やめるってよ』(’12 監督・吉田大八)などの作品に参加する。撮影技師として『俳優 亀岡拓次』(’15 監督・横浜聡子)で商業映画デビュー。『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(’17 監督・石井裕也)ではヨコハマ映画祭、毎日映画コンクールで撮影賞を受賞した。
主な作品:『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』、『おばあちゃん女の子』、『アンダー・ユア・ベッド』、『茜色に焼かれる』

受賞コメント

調布の風景を多く切り取ったこの作品が、調布の映画祭で撮影賞を頂いたのはたいへん名誉なことだと感じております。2020年時点の調布の様子をご覧いただける作品として、末長く後世まで残ってくれることを心から願っています。

照明賞『ヤクザと家族 The Family』平山 達弥(ひらやま たつや)

©2021『ヤクザと家族 The Family』製作委員会

選定理由

冒頭のバイクシーンから屋内への移動、続く俳優の表情の映し方にみられるように観客が見たいところをきちんと見せる、ストーリーに寄り添ったライティングができていた。陰影を駆使し、それぞれの時代やシチュエーションに合わせた色の使い方とコントラストのある照明づくりは見事である。カメラマンと照明技師の絶妙なコンビネーションが素晴らしい結果につながっていた。今後の更なる成長を期待したい。

プロフィール

長崎県五島列島生まれ。2009年東放学園専門学校卒業。2010年太田康裕氏に師事。2016年照明技師デビュー。
主な作品:『新聞記者』、『燕 Yan』、『おじいちゃん、死んじゃったって。』、『サヨナラまでの30分』、『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』

受賞コメント

このような賞を頂きとても光栄に思います。
この経験を生かし、初心を忘れず精進していきます。

録音賞『花束みたいな恋をした』加藤 大和(かとう ひろかず)

© 2021『花束みたいな恋をした』製作委員会

選定理由

全体を通して繊細で丁寧な録音がされている。特にセリフ収録の技術が高く、若い俳優特有の語尾を飲みこむ話し方も、雰囲気を保ちながら明瞭に再現できていた。また場所によって異なる声の響き方もトーン調整がされていた。セリフやナレーションが大切な作品にふさわしく、誇張しすぎない音楽とセリフの絡みも絶妙である。作品に合わせたナチュラルかつ精密な音作りを評価したい。

プロフィール

愛知県出身。東放学園専門学校卒業後、1988年日活撮影所スタジオセンターでアルバイトとして勤務。1991年日活撮影所に入社、2010年日活撮影所を退社。以降フリーランスとして主に映画の録音として従事。
主な作品:『翔んで埼玉』、『舟を編む』、『罪の声』、『老後の資金がありません!』

受賞コメント

この度は、録音賞を頂戴し光栄に思います。
映画祭は数多くありますが、技術パートの賞がある映画祭は少ないと思います。
その中で、調布を舞台にした今作品で受賞できたことを本当に嬉しく思います。
有り難うございました。

美術賞『るろうに剣心 最終章 The Beginning』橋本 創(はしもと そう)

©和月伸宏/集英社 ©2020映画「るろうに剣心 最終章 The Beginning」製作委員会

選定理由

破壊を前提としたセット作りは崩し方までの計算、設計の難易度が高いが、それぞれのアクションシーンで、多くのパートと連携して美術設計をしていることがうかがえた。また、大作にふさわしい規模感でありながら、全編を通して効果的だった落ち葉や小萩屋の印象的な急勾配な階段ほか、大胆かつ細やかな美術的なこだわりを称賛したい。監督と信頼関係のある橋本氏にしかできない、「美術」も主役の作品である。

プロフィール

1980年東京都出身。『クローズZEROⅡ』(09)で美術監督としてデビュー。大友監督作『るろうに剣心』シリーズ(12~21)、『プラチナデータ』(13)、『シャニダールの花』(13)、『クローズEXPLODE』(13)、『HiGH&LOW THE MOVIE』シリーズ(16、17)、『泣き虫しょったんの奇跡』(18)などを手掛ける。
主な作品:『クローズ』シリーズ、『HiGH&LOW THE MOVIE』シリーズ、『神さまの言うとおり』

受賞コメント

10年間「るろうに剣心」に携わり、集大成となった作品でこのような賞を頂き光栄に思います。
皆で成長しながら、10年を駆け抜けた日々を評価していただき、監督はじめ、各部スタッフ、俳優陣、何より苦楽を共にした美術部のメンバーに感謝します。

編集賞『浅田家!』上野 聡一(うえの そういち)

©2020「浅田家!」製作委員会

選定理由

余韻を残しすぎない編集をすることで、敢えてエモーショナルにせず、明るい雰囲気を作り出していた。セリフの間やアクションのカッティングに細かな気遣いが表れており、作品が表現したいテーマに対して的確な編集をしている。後半の様々な家族の写真を並べるシーンのリズムも良い。観客が心地よく映画を鑑賞でき、「もう一度見たい!」と感じさせるような温かみのある作品に仕上げていた。

プロフィール

1969年広島市出身。映画研究会で映画作りの楽しさを知り、KYOTO映画塾に入校。卒業後上京し、阿部亙英氏に師事。フリーの編集助手の活動をはじめる。
主な作品:『ジョゼと虎と魚たち』、『ピンポン』、『アイデン&ティティ』、『眉山』、『クワイエットルームにようこそ』、『ザ・マジックアワー』、『のぼうの城』、『天地明察』

受賞コメント

この度は選出していただき、ありがとうございます。こうして再びスクリーンにかけてもらえる、今一度、多くの人に晴れの姿を見てもらえるということは、何よりの喜びです。

功労賞 根岸 誠(ねぎし まこと)
(東映デジタルラボ(株)テクニカルアドバイザー)

プロフィール

1966年東映化学工業株式会社(現・東映ラボ・テック株式会社)入社。技術部タイミング課・プリント課を経験したのちオプチカル課に配属。1980年代デジタル技術を応用した映像処理システムの研究開発に従事。1995年東映作品『蔵』にてデジタル映像処理を活用。1999年以降テクニカルコーディネーターとして多くの作品に参画。2021年6月退任、そののちテクニカルアドバイザーとなる。

受賞コメント

映像制作の裏方としての地味な仕事を評価していただけることは大変光栄です。
技術パートで頑張っている仲間の励みになれば幸いです。

選定理由

調布市に本拠を構える東映化学工業(現・東映ラボ・テック)に入社し、フィルム現像・タイミング・オプチカル処理などの業務全般に携わり、『藏』(95)では東映で最初となるフィルムのデジタル化、デジタル合成処理を担当した。引き続き『鉄道員(ぽっぽや)』(99)『ホタル』(01)『男たちの大和/YAMATO』(08)などにテクニカルコーディネーターとして参画、新しい技術やワークフローを確立するなどデジタル時代を迎えた映画界の技術の発展に貢献した。2017年に文化庁映画賞(映画功労部門)を受賞。2021年に東映ラボ・テックを退任後もテクニカルアドバイザーを務めている。

※タイミング…フィルムの色調調整
※オプチカル処理…フィルムを使った光学的な合成処理

その他の映画のまち調布賞

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