スタジオジブリ 古城環さんインタビュー ~映画館で観る『となりのトトロ』の魅力~

映画のまち調布 シネマフェスティバル2026で上映される『となりのトトロ』。
劇場での上映前に、株式会社スタジオジブリ ポストプロダクション部部長の古城 さんにインタビューを行いました。
その魅力やポストプロダクションというお仕事についてお聞かせいただきます!

 

―スタジオジブリに入社したきっかけを教えてください

平成5年にスタジオジブリに入社しました。ジブリには全く詳しくなく、アニメーションの専門学校に通っている時にジブリの求人票をたまたま見つけて応募したのがきっかけです。その年はジブリの撮影部が発足した年で、新卒でそのセクションが採用されたのは最初で最後なんです。今思うとラッキーでした。

 

―古城さんが担当されているポスプロ(ポストプロダクション)とはどのようなお仕事ですか?

ポスプロとは、撮影まで終わった素材をもとに、音楽や音響効果や編集を施して1本の作品に仕上げる仕事です。ジブリでは声優のキャスティングやアフレコの収録にも携わりますよ。
新しい作品の制作だけでなく、旧作のデジタルリマスター制作も担当しており、先日公開された『もののけ姫』IMAXバージョンでは、都内のIMAXシアターで深夜に最終チェックに立ち会っています。

 

―今回上映されるデジタルリマスター版は古城さんも制作に携わられていますが、どんなことを意識して作られたのでしょうか?

デジタル化をする時に、スタジオジブリでは基本的に何か新たに手を加えることはありません。フィルムは特性上どんどん劣化してしまうので、細かい傷や劣化を修復して、劇場公開当時の「ニュープリント」という一番良い状態に近づけることをコンセプトとしています。色彩なんかも調整しているので、ぜひ監督たちが作り上げたオリジナルの状態を楽しんでほしいです。

 

―『となりのトトロ』はスタジオジブリの中でも特に象徴的で、幅広い世代の心に残り続ける作品だと思います。古城さんやジブリの方から見た「トトロ」はどんな作品でしょうか。

スタジオジブリのロゴもトトロの横顔ですからね。まさにジブリを代表する作品です。1988年の公開なので僕が入社する前の作品ですが、宮﨑監督をはじめ、諸先輩方の血と汗と涙の結晶です。
公開当時は『火垂るの墓』と2本立ての同時上映で、作品の雰囲気に振れ幅はありますが、個人的には2作品ともお化けや幽霊のような点で共通点があると思います。
今では「トトロ」と言えば誰でも分かる、みんなに親しまれてるキャラになっているので、そんな作品や会社に携われている嬉しさはありますね。

 

―多くの人が1度は見たことのあるトトロですが、何度見ても楽しめる見どころとは何でしょうか。

自分の成長と共に楽しみ方が変わる作品だと思います。子どもの頃はメイちゃんと同じ目線で楽しんで、チビトトロかわいい!なんて思ってましたが、だんだん自分が大きくなってくると目線が変わるんですよね。今はトウモロコシに書いた「おかあさんへ」の文字でウルっときちゃいます。
ぜひ数年ごとに見てその時の自分の楽しみ方を感じてほしいです。

 

―映画館の環境で『となりのトトロ』を観る魅力を教えてください。

やっぱりテレビとは映像や音の情報量が桁違いなので、劇場で観てトトロという映画を“感じて”ほしいですね。宮﨑監督もスマホのような小さな画面で見てほしくないと考えていますし、映画はやっぱり見るというより体感するものなので。
あとはCM入らないのと一時停止が出来ないので、途中で気持ちが途切れず自然と没入できるのも映画館の魅力ですね。実は金曜ロードショーで放送される時のCMのタイミングは僕がチェックしてるので、テレビも良いんですが(笑)

 

―トトロでお気に入りのシーンや注目してほしいポイントはありますか?

うーん、サツキがネコバスに乗ってメイちゃんを探しに行くじゃないですか。あの時ネコバスがあんなに軽やかにビュンビュン飛んでいるのに、送電線の上に乗ったらぐにゃっとたわむシーンで、あ!ネコバスってちゃんと重いんだ、と思えて面白いです。こんなこと言ったら怒られるかな… 今度作画監督の方に意図的なのか聞いてみます(笑)
こんなことを言いましたが、来場者のみなさんには特定の部分に注目にてほしいというよりは、映画館の没入環境で『となりのトトロ』というストーリーを全力で楽しんでほしいです。その上であそこが良かった、というお気に入りが個々にあったら嬉しいですね。

 

―『となりのトトロ』は今回調布での5年ぶりの上映が決定しました。市民に向けてメッセージをいただけますでしょうか。

9日間という限られた期間なので、楽しく映画を見るためにも風邪をひかずに健康第一で!鼻が詰まってると音の聞こえ方なんかも変わってきますので(笑)
前回見た人も初めて劇場でトトロを見る人も、頭を空っぽにして『となりのトトロ』を楽しんで、観終わった後にはぜひ誰かと感想を話し合ってくださいね。

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